片野メソッド第2回 ~働く大人を元気にする自律型人材育成の教科書~なぜ人は「分かっているのに行動できない」のか?

片野メソッド第2回 ~働く大人を元気にする自律型人材育成の教科書~なぜ人は「分かっているのに行動できない」のか?

大脳生理学から読み解く「行動できない自分」の正体~「やった方がいい」は、分かっている。でも、動けない。

「新しいことに挑戦した方がいい」

「もっと勉強した方がいい」

「運動した方がいい」

そう思っているのに、なかなか行動できない。

そんな経験はありませんか?

実は、これは決して「意志が弱いから」ではありません。

片野泰敬の研修では、人材育成やセルフマネジメントを考えるうえで、まず「人はなぜ行動できないのか」というところから考えていきます。

そこで重要になるのが、大脳生理学と人間心理です。

人間の脳には、私たちが意識していなくても「今の状態を維持しよう」とする働きがあります。

つまり、新しいことに挑戦する、今までの習慣を変える、慣れた環境から一歩踏み出すという行為は、脳にとって決して当たり前のことではありません。

「変わりたい自分」と「変わりたくない脳」。

このギャップを理解することが、セルフマネジメントの第一歩になります。

脳は「変化」より「現状維持」を好む

例えば、毎朝6時に起きようと決めたとします。

最初の数日は頑張れる。

ところが、少し疲れてくると、

「今日はもう少し寝てもいいか」

「明日からやればいい」

「今日は忙しかったから仕方ない」

そんな言葉が頭に浮かんできます。

そして、気づけば元の生活に戻っている。

これは珍しいことではありません。

脳は、慣れている行動を繰り返す方が負担が少ないからです。

仕事でも同じです。

「このやり方を変えた方がいい」と分かっていても、今までのやり方を続けてしまう。

「もっと部下に任せた方がいい」と思っていても、自分でやってしまう。

「新しい営業方法を試した方がいい」と思っていても、いつもの方法を繰り返してしまう。

そこには、単なる性格ではなく、人間の脳の仕組みが関係しています。

だからこそ、「なぜ自分は変われないのだろう」と自分を責めるだけでは、何も解決しません。

まず、自分の脳と行動の仕組みを知ること。

それが重要なのです。

「やる気が出たら行動する」は、本当に正しいのか?

セルフマネジメントの研修で、よく出てくる言葉があります。

「やる気が出たらやります。」

でも、私はこう問い返します。

「やる気って、いつ出るんですか?」

やる気が出るまで待っていたら、いつまで経っても始められないことがあります。

勉強もそう。

運動もそう。

仕事の改善もそう。

新しい挑戦もそうです。

実は、私たちは「やる気が出たから行動する」だけではありません。

行動するから、後から気持ちがついてくることもある。

だから私は、

「やる気は、待つものではない。動くことで生まれるものだ。」

と考えています。

最初から100点の行動をしようとしなくていい。

まず5分だけやってみる。

まず一人に声をかけてみる。

まず一つだけ変えてみる。

小さな行動を起こすことで、「やってみた」という事実が生まれます。

その小さな成功体験が、次の行動につながっていきます。

「自分を責める」ではなく「自分を理解する」

セルフマネジメントが苦手な人ほど、

「自分は意思が弱い」

「自分は継続できない」

「自分はダメな人間だ」

と、自分を責めてしまいます。

しかし、それではさらに行動しにくくなります。

大切なのは、

「なぜ自分は行動できなかったのか?」

と、自分自身を理解することです。

例えば、

「忙しかったからできなかった」

で終わらせるのではなく、

「なぜ忙しいと、やるべきことを後回しにするのか?」

「なぜ新しいことに取り組むとき、面倒だと感じるのか?」

「なぜ失敗する可能性があると、一歩踏み出せなくなるのか?」

と問いを深めていく。

ここに、片野メソッドの大きな特徴があります。

「守体性™」から「主体性」へ

私は「守体性から主体性へ」という考え方を、人材育成の重要なテーマとして掲げています。

人は、うまくいかないときに、つい外側へ原因を求めます。

「上司が悪い」

「会社の制度が悪い」

「環境が悪い」

「時間がない」

もちろん、本当に環境が原因であることもあります。

しかし、そこで終わってしまえば、自分自身には何も変えられません。

主体性とは、すべてを自分の責任にすることではありません。

「その状況の中で、自分に何ができるのか?」と考えることです。

この問いに変わった瞬間、人の視点は変わります。

「誰かが変わるのを待つ」から、

「自分は何ができるだろう」に変わる。

これが、守体性から主体性への第一歩です。

脳を知れば、自分の行動を変えられる

大脳生理学を学ぶ目的は、脳の知識を増やすことではありません。

自分自身を理解し、自分の行動を変えるためです。

「なぜ動けないのか」を知れば、自分を責める必要がなくなる。

「なぜ続かないのか」を知れば、仕組みを変えることができる。

「なぜ変化を嫌がるのか」を知れば、最初の一歩を小さくすることができる。

つまり、脳を知ることは、自分を知ることにつながります。

そして、自分を知ることが、セルフマネジメントにつながる。

セルフマネジメントが身につけば、自ら考え、自ら選択し、自ら行動する自律型人材へと近づいていきます。

今日、自分に問いかけてほしい

最後に、今日一日を振り返ってみてください。

「やった方がいいと分かっているのに、やらなかったことは何か?」

「そのとき、自分は何を理由にしていたか?」

「本当にできなかったのか。それとも、やらないことを選択したのか?」

そして最後に、

「明日、自分は何を一つ変えるのか?」

と問いかけてみてください。

人生を変えるのは、大きな決断だけではありません。

毎日の小さな選択です。

脳の仕組みを知り、自分自身を理解し、自分で選択する。

その積み重ねが、主体性を育て、自律型人材への成長につながっていきます。

やる気を待つな。
まず動け。
動けば、何かが変わる。

それが、片野泰敬が考えるセルフマネジメントです。

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