片野メソッド ~働く大人を元気にする自律型人材育成の教科書~第3回 守体性™から主体性へセルフマネジメントの第一歩は「自分へ問い」を向けること

片野メソッド ~働く大人を元気にする自律型人材育成の教科書~第3回 守体性™から主体性へセルフマネジメントの第一歩は「自分へ問い」を向けること

企業の人材育成において、

「社員にもっと主体性を持ってほしい」

「指示を待つのではなく、自分で考えて動いてほしい」

という相談を受けることがあります。

しかし、受講者に「もっと主体的に行動しましょう」と伝えるだけで、本当に主体性は身につくのでしょうか。

私は、そう簡単なものではないと考えています。

なぜなら、主体性とは「行動のテクニック」ではなく、物事をどう捉え、どう選択するかという思考の習慣だからです。

そこで私が大切にしているのが、

「守体性から主体性へ」

という考え方です。


「守体性」とは何か

「守体性」という言葉は、私が人材育成を考える中で生み出した独自の概念です。

人は誰でも、できるだけ安心できる環境にいたいと思います。

「誰かが教えてくれる」

「上司が決めてくれる」

「会社が何とかしてくれる」

「環境が変われば、自分も変われる」

こうした状態は、決して悪いことではありません。

しかし、それが当たり前になると、自分で考え、自分で決め、自分で行動する機会が少なくなります。

私は、このように「自分の外側に答えを求め、守られることを前提としてしまう状態」を「守体性」と捉えています。


主体性とは「何でも自分の責任にすること」ではない

一方で、主体性という言葉も誤解されがちです。

主体性とは、何でも自分の責任にすることではありません。

上司が悪いこともあります。

会社の制度に問題があることもあります。

どうしようもない環境もあります。

大切なのは、その事実を認めたうえで、

「では、その状況の中で自分には何ができるのか?」

と考えることです。

これが主体性です。

「上司が変わらないから何もできない」

ではなく、

「上司が変わらないとして、自分はどう関わるのか」

と考える。

「会社が悪い」

で終わるのではなく、

「その環境の中で、自分が変えられるものは何か」

と考える。

この「問いの向き」が変わるだけで、人の行動は大きく変わります。


主体性は「自分への問い」から生まれる

私の研修では、受講者に答えを教えること以上に、「問い」を大切にしています。

例えば、

「あなたは、本当はどうしたいですか?」

「今の仕事で、自分にできることは何ですか?」

「今の状況を変えるために、最初にできることは何ですか?」

「一年後も今と同じ状態だったら、あなたはどう思いますか?」

こうした問いに対して、自分自身で考えてもらいます。

人から言われた答えは、簡単に忘れてしまいます。

しかし、自分自身で考え、自分自身で導き出した答えは、自分の中に残ります。

そして、「自分で決めた」という納得感が、行動の原動力になります。


自律型人材育成の本質は「自分で決める人」を増やすこと

自律型人材とは、単に「指示がなくても動ける人」ではありません。

自分で考える。

自分で判断する。

自分で選択する。

そして、自分の選択に責任を持つ。

その繰り返しが、自律性を育てます。

だからこそ、自律型人材育成では「何を教えるか」だけではなく、「どう考える習慣を身につけてもらうか」が重要になります。

私は、研修をそのための「思考のトレーニングの場」だと考えています。


「自分以外」を変える前に、「自分」を変える

仕事をしていると、どうしても周囲を変えたくなる瞬間があります。

部下に変わってほしい。

上司に変わってほしい。

会社に変わってほしい。

もちろん、組織を良くするためには環境を変えることも必要です。

しかし、自分以外の人を変えることはできません。

変えられるのは、自分の考え方と、自分の行動です。

だから私は、

「相手を変える前に、自分は何を変えられる?」

という問いを大切にしています。

それが、守体性から主体性へ移行する第一歩です。


人生の主語を「自分」に戻す

守体性から主体性への変化は、決して大きなことではありません。

「会社が」ではなく「自分は」。

「上司が」ではなく「自分は」。

「環境が」ではなく「自分は」。

人生の主語を「自分」に戻すことです。

そして、

自分はどうしたいのか。
自分には何ができるのか。
自分は何を選ぶのか。

この問いを持ち続ける。

それがセルフマネジメントであり、自律型人材育成の原点だと私は考えています。

人は、誰かに変えてもらうものではありません。

自分自身で「変わる」と決めた瞬間から、変わり始めるのです。

守られる人生から、自ら選ぶ人生へ。

それが、「守体性から主体性へ」という片野メソッドの原点です。

CONTACT お問い合わせ

ご相談・ご依頼・お仕事のご相談など、
お気軽にご連絡ください。