企業研修で社員の行動は変わるのか?行動変容につながる研修の特徴と受講者の実例

企業研修で社員の行動は変わるのか?行動変容につながる研修の特徴と受講者の実例

「研修を実施しても、社員の行動が変わらない」

「受講直後は意欲的でも、職場に戻ると元通りになってしまう」

こうした課題を抱える人事・教育担当者の方も多いのではないでしょうか。

企業研修の成果を考える際に重要なのは、受講者の満足度だけでなく、研修で得た学びが職場での行動につながっているかどうかです。

本記事では、研修効果に関する研究を踏まえながら、行動変容につながる研修の特徴を解説します。また、ファーストステップが実施した研修の受講者アンケートから、実際に報告された意識と行動の変化をご紹介します。


1.企業研修の効果は「受講者満足度」だけでは測れない

研修の効果測定では、受講者アンケートの満足度が使われることがあります。

しかし、研修が「分かりやすかった」「楽しかった」という評価と、職場で実際に行動が変わったかどうかは、区別して考える必要があります。

研修評価の代表的な考え方であるカークパトリックの4段階評価モデルでは、研修の成果を「反応」「学習」「行動」「結果」という観点から捉えます。

特に、企業が継続的な人材育成を考える際には、学んだ内容を職場でどのように実践しているかという「行動」の観点が重要になります。

研修を実施したという事実だけでなく、受講者が何を学び、どのように行動を変えようとしているのかを確認することが必要です。


2.研修で学んだことが職場で実践されない理由

研修の学びを職場で活用することは、研修転移(Training Transfer)と呼ばれます。

BaldwinとFordによる1988年の研究レビューでは、研修で得た学習内容の職場への転移に関わる要因として、受講者の特性、研修設計、職場環境が整理されています。

つまり、研修内容が良いだけでは、職場での行動変容が十分に起こるとは限りません。

例えば、研修で主体的な行動の大切さを学んでも、職場に戻ったときに上司から細かく指示され続ければ、自分で考えて動く機会は限られてしまいます。

研修効果を高めるには、受講者本人の意識だけでなく、学びを実践できる環境づくりも欠かせません。


3.行動変容につながる研修に必要な3つの視点

① 自分自身の課題を理解する

研修で一般的な知識を学ぶだけでなく、「自分の仕事では何が課題なのか」を考えることが重要です。

例えば、報連相が不足している、後輩への指導が一方的になっている、自分から提案できていないなど、具体的な課題に気づくことで、学びを自分ごととして捉えやすくなります。

② 実際の行動に落とし込む

「主体性を高める」「コミュニケーションを改善する」といった目標だけでは、職場で何をすればよいかが曖昧になりがちです。

そこで、「毎朝、自分から声をかける」「部下に答えを伝える前に質問する」「業務の段取りを事前に考える」など、具体的な行動に置き換えることが大切です。

③ 職場での実践と振り返りを続ける

研修直後に立てた行動計画も、振り返る機会がなければ形骸化することがあります。

上司との1on1や実践状況の確認、次回研修での振り返りなどを組み合わせることで、受講者が学びを見直し、行動を継続する機会をつくることができます。


4.実際の受講者には、どのような変化があったのか?

ファーストステップが2026年に実施した「守体性から主体性への変革研修」では、受講者から次のような変化が報告されています。

「できない」から「まずやってみる」へ

新しいことに挑戦する前から「できない」と考えていた受講者が、まず取り組んでみようと考えるようになり、職場でも自発的な声かけや報連相を意識するようになった事例です。

目の前の仕事から、先を見据えた行動へ

仕事には慣れていたものの、自分から考えることに自信がなかった受講者が、業務の段取りや他部署との連携を積極的に行うようになった事例です。

細かな指示から、部下に考える機会をつくる関わり方へ

管理的な立場にある受講者が、部下への説明の仕方を見直し、方向性を伝えて進捗を確認する関わり方を意識するようになった事例です。

これらは受講者自身がアンケートで報告した変化であり、研修単独の因果効果を実証するものではありません。しかし、研修で得た気づきが、実際の仕事への向き合い方や行動に結びついた様子を知ることができます。

▶ 研修受講者5名の声・具体的な行動変容の事例はこちら


5.中堅社員・管理職の育成にも「主体性」が重要

主体性は、若手社員だけに必要なものではありません。

中堅社員には、自分の担当業務に加え、周囲の課題や後輩育成にも関わる姿勢が求められます。

管理職には、組織全体の課題を自分ごととして捉え、部下が自ら考え、行動できる環境を整える役割があります。

ファーストステップでは、この考え方を「守体性から主体性へ」という独自の研修思想として体系化しています。

中堅社員向けには「中核人財育成プログラム」、管理職向けには「組織を動かすリーダー育成プログラム」を用意し、役割に応じた行動変容を目指します。


6.研修の効果を高めるために、人事担当者が確認したいこと

研修会社を選ぶ際には、研修当日の内容だけでなく、次のような点も確認するとよいでしょう。

  • 研修で目指す行動変容が具体的に設定されているか
  • 自社の課題や受講者の役割に合った内容になっているか
  • 受講者が自分の仕事に置き換えて考える機会があるか
  • 研修後の行動計画や振り返りが設計されているか
  • 実際の受講者の声や研修実践事例を確認できるか

研修の目的を明確にし、受講後の行動まで見据えて設計することが重要です。


よくある質問

Q.企業研修を実施すれば、社員の主体性は高まりますか?

研修は、自分自身の課題に気づき、主体的な行動を考える機会になります。ただし、研修を受けるだけで必ず主体性が高まるわけではありません。職場での実践機会や上司の関わり方も重要です。

Q.研修効果はどのように測定すればよいですか?

満足度だけでなく、研修前後の行動計画、上司による観察、1on1での振り返り、業務上の行動指標などを組み合わせる方法があります。

Q.中堅社員と管理職では、研修内容を変えるべきですか?

役割が異なるため、重点的に育成する能力も変わります。中堅社員には当事者意識や周囲への働きかけ、管理職には部下育成や組織マネジメントなど、階層に応じた設計が適しています。


まとめ|研修の価値は、その後の行動に表れる

企業研修の目的は、知識を伝えることだけではありません。

受講者が自分自身の課題に気づき、職場での行動を見直し、実践を続けていくことが重要です。

ファーストステップでは、「守体性から主体性へ」という考え方を軸に、受講者が仕事を自分ごととして捉える研修を提供しています。

社員の主体性向上、中堅社員の育成、管理職の部下育成などに課題をお持ちの企業様は、ぜひご相談ください。

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