研修で退職が止まった
「実は、研修を受ける前に退職届を出していたんです。」
これは、これまで企業研修をしてきた中で、実際に何度も経験してきた言葉です。
そして、2日間の研修を終えた後、その社員が退職を撤回した。
もちろん、私は「研修をしたから退職を撤回した」と単純に言うつもりはありません。
人が会社を辞める理由は、一つではないからです。
ただ、研修をきっかけに、自分自身や仕事について考え直し、「もう一度ここでやってみよう」と決断する。
そんな瞬間に立ち会ってきました。
退職を止めるための研修ではない
ここは、かなり大事なところです。
私は「退職防止のために、とにかく社員を引き止めましょう」という研修をしているわけではありません。
むしろ逆です。
「あなたは、本当はどうしたいのか?」
「なぜ、今の仕事を辞めたいと思ったのか?」
「これから、どんな働き方をしたいのか?」
そこを自分自身で考えてもらう。
会社から答えを与えるのではなく、自分で答えを出す。
そのプロセスを大切にしています。
なぜなら、人は誰かに説得されたからといって、簡単には変わらないからです。
自分で考え、自分で納得し、自分で決めたことだからこそ、その後の行動につながります。
「辞めない」という選択も、自分で決めた
その社員が研修後に退職を撤回したと聞いたとき、私は嬉しかったです。
でも、それ以上に大事だと思ったのは、
「会社に言われたから残った」のではなく、
「自分自身でもう一度考えた上で、残ることを決めた」
ということです。
ここに、研修の一つの価値があると思っています。
研修とは、知識を教える場所だけではありません。
時には、自分の人生や仕事について立ち止まって考える場所にもなる。
そして、その「立ち止まる時間」が、その後の人生や仕事における意思決定を変えることがあります。
研修効果は「満足度」だけでは測れない
研修後のアンケートで、
「勉強になりました」
「楽しかったです」
「気づきがありました」
と言ってもらえるのは、もちろん嬉しい。
でも、それだけでは本当の研修効果とは言えないと思っています。
研修が終わってから、
何を考えたのか。
何を選んだのか。
何を行動に移したのか。
そして、仕事や組織との向き合い方がどう変わったのか。
私は、そこまで見て初めて「研修の価値」が見えてくると考えています。
今回のケースでは、退職という一つの大きな意思決定が、研修をきっかけにもう一度見つめ直されました。
結果として、その人は会社に残るという選択をした。
これは、企業にとっても大きな意味があります。
せっかく育ててきた人材が、退職という一つの選択だけで組織から離れてしまう。
その前に、「本当に自分はどうしたいのか」を考える機会があるだけで、未来の選択肢が変わることがあるからです。
「辞めさせない」のではなく、「自分で決められる人」を育てる
私が研修で目指しているのは、社員を会社に縛りつけることではありません。
会社に残るのも、転職するのも、その人自身の人生です。
だからこそ、
「誰かに決めてもらう」のではなく、
「自分で考えて、自分で決めて、自分で動く」
ことが大切だと思っています。
結果として、その人が会社に残るのであれば、それは素晴らしい。
もし別の道を選ぶのであれば、それもまた本人が納得して選んだ人生です。
だから私は、研修で人を「引き止める」のではなく、
人生と仕事を、もう一度自分の手に取り戻してもらう。
そんな時間をつくりたいと思っています。
「受けて良かった」ではなく、
「受けてからが始まりだった。」
そう言ってもらえる研修を、これからもつくっていきます。
株式会社ファーストステップは、これからも「働く大人を元気にする」ために、研修室の中だけではなく、その先の現場まで向き合っていきます。
CONTACT お問い合わせ
ご相談・ご依頼・お仕事のご相談など、
お気軽にご連絡ください。